立ち戻れる地図を手に入れよう
デザイナーが作ったものをお渡しした時はすべて完璧でも、デザイナーの手を離れ、お客さまだけでの運用フェーズにはいるとだんだんとアイテムの質やブランドイメージが崩れていく...
これは各所で多発するブランディングの「あるある」だったりします。
企業など多くの人が関わると、ブランドの扱い方が人によって変わってしまい勝手にアレンジされたりしてしまうこともあります。
ブランドは「一貫性」が とても、とても大切。
見るタイミングや場所が違っても、伝わるイメージがいつでも同じ、ということがすごく大事なんです。
そのため、企業などではとても分厚いブランドのマニュアルが存在したり、ブランドを管理する部署があることも多いです。
個人の活動ならそういった「人によって変わってしまう」ということはありません。
でも、個人でもやっぱり「一貫性」が維持できなくなることがけっこうあります。
その原因は「時間」「状況」「気分」の変化。
人は,時間が経つと忘れるものです。決めたことも忘れてしまうし少し間があくと、忘れてしまう。これはね、もうしかたないですね。
「状況の変化」もよく起こります。
売上が伸びなくなって焦ってきた、とか急に商品を増やさなくてはいけなくなって手間が惜しくなってきた、とか...。
「気分の変化」に至っては、個人にはすごくよくあること。
ハンドメイドの商品を作っている人が、旅行から帰ってくると作風がすごーく変わってしまったり、ある人の話を聞いたら感銘を受けてしまって突然違うアプローチを取りたくなってしまったり…
これらの変化は、意味があるならぜんぜん問題じゃありません。お客さまがその変化が「ブランドの進化だ」と納得できて、ちゃんとついてこれるならいいんです。でもそれが伴わないと、お客さまは置いてきぼりにされて、去っていってしまうかもしれません。
そういったことを避けるため。megropressではおひとりごとのブランドに合わせて「BRAND STYLE GUIDE」を制作し、お渡ししています。
これは、先ほどの企業でいう”ブランドのマニュアル”にあたります。
私は前職のデザイン会社で、企業に対してブランディングの提案をする立場だったのですが、たくさんの人がさまざまな状況で自社のブランドを扱うときに、このマニュアルがブランドの「イメージ維持の肝」であることを実感してきました。
きっと、個人でも同じことが言えます。
たとえ扱うのは自分だけでも、時間がたったり、状況が変わったり、気分が変わってしまったりすると、判断ができなくなる場合も多いのです。
なので、この考え方をぜひ個人の方にも!と思っています。
ロゴを使うときのポイントのこと、カラーリングのこと、ブランドのスタイルにふさわしい書体のこと…などなど、「Brand Styling」をおこなった最終形のすべてのエッセンスをコンパクトまとめたものです。
これがあれば、自分のブランドのルールがわかるので、何か新しく制作物を作らなくなった時や、自分以外の人にル伝えなくてはならなくなった時などに、ルールブックとして威力を発揮します。
でも、なによりも、
「そうだった!私はこのルートで、この方法で、この目的地を目指していたのだ!」という、自分の出発点を、目的地を、改めて確認することができるというのが一番のポイントかなと思います。
わからなくなったときや、新たにアイテムをつくるときに、「立ちもどれる地図」になってくれるということです。
これは、ブランドイメージを一定に保つのにとても役に立ちます。あなたも自分だけの、自分のブランドのためのための地図を、ぜひ手に入れてください。