名詞ではなく、動詞で自分を考えてみる
先日のPodcastで、人事をご専門にされているThe Learningscapeの村山祐紀子さんと対話をしました。
その中で印象的だったのが、
「自分を名詞ではなく、動詞で捉える」という考え方でした。
私たちは普段、
「デザイナー」 「人事」 「経営者」
といった肩書き=名詞で自分を説明することが多いです。
けれど名詞は、とても便利な反面、
自分をひとつの領域に閉じ込めてしまう。
例えば組織から離れたときや、違う仕事をしているときなど、
役割が変わると、自分が何者なのか分からなくなるような、
そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
動詞で見ると、変わらない自分が見える
村山さんはこう言います。
「ついやってしまう行動に、その人の本質がある」
たとえば、
聞く
つなぐ
整える
育てる
といったこと。これは職業や仕事そのものではありません。
でも、どんな仕事にいても繰り返し現れる行動です。
行動=つまり「動詞」で自分を見ると、
職種や立場が変わっても揺らがない「核」が見えてきます。
そして、「この仕事しかできない人」ではなく、
「こう在る人」へと感覚が変わっていく感じがします。
自分らしさは、内面だけでは見つからない
もうひとつ、強く残った言葉があります。
自分らしさは、内面を掘り続けるだけでは見えてこない、ということ。
もちろん、自分と向き合う時間は必要です。
けれど私たちは、自分ひとりの力だけで形づくられているわけではありません。
誰と出会い、どんな環境に身を置き、
どんな社会の中で生きているのか。
日本に生まれたということさえ、すでに影響の一部です。
人との関係、社会との関わり、そして日々の行動。
その重なりの中で、はじめて「その人らしさ」は立ち上がってくる。
私たちは完成された個体ではなく、
生態系(エコシステム)の中で作用しながら存在しているのだと感じました。
だから「私は何者なのか」と内側だけを見続けるより、
誰と関わり、どんな変化を生んでいるのかを見るほうが、
自分の輪郭はむしろはっきりしてくるのかもしれません。
自分を近くから見すぎない
そう考えたとき、必要になるのは
自分をもう少し遠くから眺める視点でした。
私たちはつい、「私は何者か」を近距離で確かめようとしてしまう。
けれど対話を通して浮かんできたのは、俯瞰する感覚でした。
IKIGAIチャートが、宇宙の中に静かに浮かんでいるようなイメージ。
個人の成功や役割だけで自分を測るのではなく、
未来の子どもたちや社会、地球といった
少し大きな流れの中に自分を置いてみる。
すると「自分探し」をしなくても、
日々の小さな行動そのものが、その人のあり方になっていく。
ブランドとは、意図して作り込むものというより、
関係と行動の積み重ねから、自然と現れてくるものなのかもしれません。
動詞ワークをやってみる
ぜひ、「あなたの動詞」を考えてみてほしいです。
うまくでなければ、こんな問いを試してみてください。
「あなたって、つい何してしまう人?」
家族やパートナー、身近な人に尋ねてみるのもおすすめ。
意外な面も含め、その人がより理解できます。
答えのひとつめは社会的なものが出やすいそう。
なので、2つほど聞いて、さらに3つ目を聞くのがコツ。
3つ目を絞り出したとき、本音が出てくることが多いらしいです。
社会的な答えでも、理想の自分でもなく、
無意識に続けてきた行動に、
その人の「在り方」があるのかもしれません。
対話の続きを
今回のお話は、人事の村山祐紀子さんとの対話から。
なぜ「動詞」で考えると生きやすくなるのか?
自分らしさはどこから立ち上がるのか?
この話は、シリーズ「ブランドのタッチポイントを巡る旅」の5つ目のテーマである「人」についての対談としてお届けしています。
ブランドをつくる源となる「人」についてのお話です。
文章では書ききれない話の続きは、ぜひVISIONARIAのPodcast「エピソード28で。