the

BRAND-ING

DIALOGUE

現在進行形で変化し続ける
彼女たちとの対話の記録

視界がひらける瞬間を求めて

Interview 02

Tsugumi Ohira
/ TSUGUMI DESIGNS

女性起業家を支えるグラフィックデザイナーとして活動する大平さんは、キャリアチェンジから2年半、TSUGUMI DESIGNSというブランドを育てながら事業を進めています。そんな大平さんが、ブランドの土台を見直し、自身の強みを明確にするために選んだのがブランディングのコンサルティング。今回は、彼女の歩んだプロセスとその成果について、具体的なエピソードを通じてお話を伺いました。

キャリアチェンジからブランド設立まで

大平さんは、アパレル業界のご出身。パリコレクションをするような大手アパレルメゾンの最前線である販売という分野で、店長などのマネジメント職も長く務め、その業界で18年にわたり第一線で活躍されてきました。しかし、子育てを機に「自分の名前で働く」道を模索し、Webデザイナーとしてキャリアを再スタート。2年半前にTSUGUMI DESIGNSを設立し、ロゴやWebサイトのデザインを中心に、女性起業家をサポートする事業を展開しています。

「最初の1年はがむしゃらに走りましたが、2年目に入る頃、自分のブランドをどう成長させるべきか、もっと強い基盤が欲しいと感じました」と語ります。

ブランドの基盤を強化するため、ブランディングの知識を独学で学び始めた大平さん。しかし、「自分で言葉を紡いでもしっくりこない」と悩む中、ブランディングコンサルティングに出会います。セッションを通じて、自分では気づけなかった魅力や強みを言語化し、事業の方向性を明確にしていきました。
「視界がひらけたような感覚でした。一番大きな収穫は、自分の本質を言い表す強いコンセプトが手に入ったことです」と話します。

↑リニューアル前の「TSUGUMIDESIGNS」のWebサイト 
↑リニューアル後の「Penemuan!」のWebサイト

ブランディングを通じた変化:自信と一貫性の確立

約3ヶ月間のコンサルティングを経て、大平さんは「ブランドコンセプトを得たことで、自信を持って突き進む覚悟ができた」と言います。その結果、Webサイトやインスタグラムなどのタッチポイントを一貫性のあるものに見直し、ターゲット層に変化が現れました。
「リブランディング後、法人のお客様の割合が増え、求めていた方向性に確信を持てました」とのこと。

ブランディングの過程で特に印象的だったのは、「使う言葉が印象を変える」という気づきです。「気軽さを表現するフレーズを避け、より情熱的な姿勢を伝える表現に変えたことで、共感を得られる機会が増えました」と振り返ります。
「自分のブランドは自分とは別人格」という考え方に基づき、自分の多面的な魅力をどのように発信するかを探る過程も、新たな視点を得るきっかけになりました。

次なるステップへ:成長を続けるブランド

大平さんは現在、ブランドの枠を超えて活動を広げつつあります。「TSUGUMI DESIGNSは、単なる事業ではなく、自分の生き方そのもの」と語る彼女。その言葉には、ブランディングを通じて得た自信と方向性がにじんでいます。
「これからも、自分のコンセプトに共感してくださるお客様とともに成長していきたい」と大平さんは締めくくりました。

自分の本質に気づかせてくれたブランディング

「この投資には全く後悔していません。むしろ、値段で選んでいたらきっと満足できなかったと思います。表面的に整えるのではなく、自分の本質を表現する言葉や見せ方が明確になったのが一番の収穫でした」と振り返ります。

また、ブランディングに取り組むなら「直感的にしっくりくる相手を選んでほしい」とアドバイスします。雰囲気や価値観に共感できる人と取り組むことで、本当に自分らしい表現が可能になります。特に、ブランディングのプロに自分の内に秘めた想いを言葉にしてもらえたことは、彼女にとって大きな意味を持ちました。

自分でも表現しようと努めてきたものの、しっくりくる言葉に届かないもどかしさを抱え続けていた彼女にとって、「そう!これが私が伝えたかったことなの!」と感じられる言葉を引き出してもらえたのは、何にも代え難い経験だったといいます。

自分を生ききることの価値

歩美さんは、クレイジュエリー作家として多くの経験を積むなかで、あるとき、理想とする「在り方」を思い描きました。そこで見えたそのぼんやりとした形に、彼女はしっかりと向き合ったのです。

そのぼんやりとした形を具現化しようと、一度自分でやってみたけどうまくいかなかった。でもそこで諦めず、今度は自分の感覚を理解してくれそうな”しっくりくる”相手を探し、ともに進むことにしたのです。

この先の人生、どうなるかわからない。でも、今ここにある思いは紛れも無い真実。それを花開かすも、見て見ぬふりをして無いことにするのも自分次第です。

歩美さんは「自分を生ききること、表現し切ることは人生の宝物」だと感じています。

尽きない逡巡を超え、やり切ったところに見える景色があります。歩美さんも、やりたいことを諦めかけている人たちにも「まずはやってみて」と心から伝えたいといいます。

「やり切って、清々しい気持ちで自分を表現できるようになったことは、自分の活動に悩む人たちにとっても役立つアドバイスになれば」と語る彼女の経験は、単にクレイジュエリー作家としてのブランディングの成功談ではなく、自分を信じ、思い切って一歩踏み出すことの大切さを教えてくれます。

「やりたいことは諦めたくない。その気持ちがあるからこそ、柔軟にいろいろな役割をこなし、変化することができる」。そんな彼女の姿勢は、多くの女性にとっての励みになるのではないでしょうか。

インタビューと文:目黒 洋子
写真撮影:渡邉 まり子
会場協力:PRINT+PLANT

the Brand

「Penemuan!」は「ペネムアン」と読み、インドネシア語で「発見」の意味。Penemuan!は、既存の枠にとらわれず、軽やかに、そして、あざやかに生きる女性たちのためのジュエリーブランド。作品は、デザイナーである西尾歩美の礎となった五島列島の景色、海洋観測技術員として世界を周り見聞きした多様な自然や人々の営み、地球が創り出すその色合いから紡ぎ出されています。

西尾 歩美
クレイジュエリーブランド「Penemuan!」
ファウンダー/デザイナー

大学時代、海洋環境学を修める。
その後、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の海洋観測船にて気候変動のメカニズム解明の研究に貢献。
北極海やパタゴニア周辺まで、世界の海を観測する。

2018年 秋田悦子先生(株式会社ニコネル)に師事
2019年 ニコネルクレイジュエルの認定講師
2020年 Penemuan!として活動開始、現在に至る

プライベートでは2人の女の子の母。そして、海と山、美しい地球をこよなく愛する自然派。

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