ブランドが「360°隅々まで行き渡る」という本当の意味

ブランドにおいて大事なこととして、この3つをお伝えしています。

・独自性
・一貫性
・360°隅々まで行き渡る


今回は、この「360°隅々まで行き渡る」の例として、リブランディングのお客さまの事例をお話しします。

この写真は、なんでしょう? 鉄パイプ?


そうです。鉄パイプですね。

ガス管とか、鋼管と言われるガスや空気とかの輸送に使用されたりするものです。

ご相談いただいているブランドで、店舗もリニューアルすることになりました。 商品を並べる什器もオリジナルで作ることになったのですが、その際、脚部分に採用したのがこのガス管でした。

なぜこの素材を選んだのか、ということですが、ただ安いからとかそういうことではなく、ブランドと密接なつながりがあるからです。

こちらのブランドはお茶農家さんのお店のものなのですが、実際に、そのお茶の農園で、こういった鉄パイプが畑の道具として使用されています。

そのお茶は、日光を遮蔽する覆いをかけて育てる特別なお茶なのですが、まさにその覆いを立てる際に使われています。

写真では経年変化で茶色く見えますが、支柱に使われています。

このパイプから、ブランドの特徴的な独自性と紐づくストーリーを紐解くことができますし、覆いがあるお茶の畑というものを、お客様に具体的に想像していただくきっかけにもなります。

また、もう一つはブランドのコンセプトとの関わりです。

農家がやっているお店ということで、飾らない、そこでとれたそのままのものをお出しするということが、いちばんの価値であり、それが、お店全体を貫くあり方につながっています。

華美にするとではなく、削ぎ落とす。
わざわざ作るのではなく、あるものを生かす。

そういったブランドの哲学になっています。

そのなかで、お店の中で使う建材も、ありのままを使う、ということから、工業用のものそのままを活かした素材を選ぶということにに至りました。

言わなければ、伝わらないことでもあります。
でも、統一性や一貫性を感じることができます。
そして、話を聞けば、なるほどと腑に落ち、学びがあり、忘れません。

実際にお店を作る予定はなくても、ブランドを考える際は、お店を作った場合を想定して、考えていただくワークを行なっています。

そうすることによって、五感でありありと感じることができ、目には見えない「ブランドの空気」に、輪郭を与えることができるのです。

実際の店舗の様子

こちらの事例は、京都宇治の碾茶農家さんのお店「茶舗 ゆと葉」のリブランでイングプロジェクトでした。
オーナーの方へのインタビューをこちら からご覧いただけます。

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