ブランディングとマーケティング、どちらを先に取り組むべき？

ブランドづくりをする中で、ブランディングとマーケティングのどちらを先に取り組めば良いか、悩むことがあるかもしれません。

ブランドの状況によっても異なりますが、ご質問をいただいたりもするので、それについて取り上げてみようと思います。

ブランディングとマーケティングは異なる概念ですが、スモールビジネスのビジネスにとって両方とも欠かせないものです。

簡単にいうと、

ブランディングとは、
ブランドや商品のアイデンティティとイメージを築くプロセス

マーケティングとは、
商品やサービスを効果的に販売するための活動

だと言えます。

どちらが欠けても進まないもので、「自動車のエンジン」と「ガソリン」に例えるとイメージしやすいかもしれません。強いブランドが効果的なマーケティング活動をサポートしますし、効果的にマーケティング活動をするときには、強いブランドが必要、というぐあいに互いに密接に関連しています。

ブランディングとマーケティングの違い

もう少し２つを詳しくみてみましょう。

ブランディングとマーケティングそれぞれの
＜ことばの定義＞
＜フォーカスする目的＞
＜含まれる要素＞
について比較してみたいと思います。

＜ことばの定義＞

ブランディング
「ブランド独自のアイデンティティやイメージを構築し、それを顧客に伝えるプロセスのこと」

であるのに対し、

マーケティング
「商品やサービスを市場に導入し、販売するために行う様々な活動の総称」

だといえます。

＜フォーカスする目的＞

ブランディング

・ブランドがどのような存在であり、顧客にとってどのような価値を提供するかを示すこと

・ブランドに対する顧客の感情や信頼を築き、他社との差別化を図り、一貫性のあるイメージを構築すること

・上記の取り組みを通じて、顧客と感情的な結びつきを築くこと

であるのに対して、

マーケティング

・商品やサービスを効果的に販売し、顧客に提供する価値を伝えること ・商品やサービスを顧客に知ってもらい、需要を引き出し購買に繋げること ・目標を達成するために市場での存在感を高め、売上を伸ばすこと

だといえます。

＜含まれる要素＞

ブランディング

ロゴ、カラーリング、書体 、 デザインなどの視覚的要素、ブランドの文化、価値観、ミッションなどの考え方や哲学、それらを言語化したスローガン、ストーリーなど

であるのに対し、

マーケティング
広告、プロモーション、セールス、市場や競合の調査、WebサイトやSNSなどのコンテンツ制作、顧客対応・フィードバックの管理など

が含まれます。

ブランディングとマーケティングそれぞれの役割と目指すもの整理できたところで、改めてブランディングとマーケティング、どちらを先に取り組むべきかを考えてみましょう。

結論：ブランディングを先に行うべき

マーケティングをどの部分とするかによってお捉え方が違うかもしれません。

「市場や競合の調査」というものがマーケティングの中に含まれますが、これはビジネスを立ち上げるときのそもそもの基本となりますよね。

例えば、展開するマーケットの状況や、ニーズとトレンドの把握、ターゲットオーディエンスのリサーチ、競合リサーチなどです。
これらはビジネスを始めるにあたって基本的な前提情報として必要なので、事前に行う必要があります。

それ以外の要素で考えると、「ブランディングが先」といえそうです。

例えば、新規ビジネスの立ち上げのとき。

新しくビジネスを始める場合、まずはブランドのアイデンティティやビジョンを確立することが重要なので、ブランディングをまず先に取り組む必要があります。
ブランドがいったい何を価値としているブランドなのか？お客さまに対して何を提供するのか？どのような価値観や哲学を持っているのか？などを明確にして、それがビジネス全体に行き渡るようにします。

例えば、差別化が難しい競争激しい市場のとき。

競合が多くいる場合は、他との差異を明確にし、ニッチを定め、その中でのポジションをとり独自のアイデンティティを気づくことが大切です。まさにブランディングを先に行うことが重要なケースです。

そして、ブランディングは感情や価値観を強調して伝達することができるため、とくに感情的な結びつきが商品やサービスの選択に影響を与える場合、ブランディングを先に行うとよいです。

感情は、購買にとても影響を与えます。 感情的な結びつきがあれば、他社より優先して購買をしようと思ったり、ロイヤルティが生まれリピートしたりということが起こります。

今出た「感情的な結びつきが影響を与えるケース」ですが、これ、今や全てのスモールブランドに該当するのではないかしら。
ということで、やはりブランディングからスタートしていくことをお勧めします

まとめ

状況や目標によりますが、新たにビジネスを始めるのであれば、ブランディングから着手するのがよいです。
ただし、ビジネスを始めるにあたって前提となる市場や顧客などに関する各種調査は、「マーケティング」の分類に含まれる場合がありますが、ビジネスの基本的なこととしてのうちに取り組んでおくことが必要です。

どちらも相互に影響し合うので、一度いずれかが確立されたら、もう一方にも取り組むことが大事です。
総合的なブランディングとマーケティングの戦略が、ビジネスの成長につながります！